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| 第49回 近世10 学問の発達 【４９－１】 荻生徂徠『政談』 （結論43） ・・・・昔ハ在々ニ殊ノ外銭払底ニテ、一切ノ物ヲ銭ニテハ買ハズ、・・・・元禄ノ比ヨリ田舎ヘモ銭行渡テ、銭ニテ者ヲ買事ニナリタリ。・・・・当時ハ旅宿ノ境界ナル故、金無テハナラヌ故、米ヲウリテ金ニシテ、商人ヨリ物ヲ買ヒテ日々ヲ送ルコトナレバ、商人主ト成ッテ、武家ハ客也。・・・・ 【４９－２】 太宰春台『経済録』 （実況五9-13 結論43） 今ノ世ノ諸侯ハ、大モ小モ、皆首ヲタレテ町人ニ無心ヲイヒ、江戸・京都・大坂、其外処々ノ富商ヲ憑デ、其続ケ計ニテ世ヲ渡ル。・・・・ 【４９－３】 太宰春台『経済録拾遺』 （実況五9-13 結論43） 凡そ今の諸侯は、金なくては国用足らず、職責もなりがたければ、・・・・諸侯として市価の利を求むるは、国家を治むる上策にはあらねども、当時の急を救ふ一術なり。 【４９－４】 本多利明『経世秘策』 （実況五9-15 結論43） 日本ハ海国ナレバ、渡海・運送・交易ハ、固ヨリ国君ノ天職最第一ノ国務ナレバ、万国ヘ船舶ヲ遣リテ、国用ノ要用タル産物、及ビ金銀銅ヲ抜キ取テ日本ヘ入レ、国力ヲ厚クスベキハ海国具足ノ仕方ナリ。・・・・ 【４９－５】 本多利明『西域物語』 （結論43） 交易は海洋渉渡するにあり、海洋渉渡は天文・地理にあり、・・・・然に日本国は和蘭陀より遥の大良国とならん。 【４９－６】 海保青陵『稽古談』 （実況五9-14 結論43） 武士の風として、金を賤むことなり。金を賤むゆへに、金へらへらと無くなるなり。金を貴ぶ人をば大に笑ふて商売中の人なりと云こと、武士一統の風なり。・・・・ 【４９－７】 佐藤信淵『経済要録』 （実況五9-16 結論43） 皇国の版図を按ずるに、・・・・周回皆大洋に臨み、四通八達の要枢たり。航運甚だ便利にして、宇内を混同すべき基礎悉く備れり。若し夫れ時至り運応じて、海外を経略すること有らば、実に全世界の総主となるべき国なり。 |
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